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外資系企業「日本拠点を拡大」

6割強(2010年外資50社調査) タタ、IT人員5倍 サービス・金融・医薬品「市場なお開拓余地」

日本経済新聞社が9月にまとめた「外資系企業の日本拠点戦略調査」で、回答企業の6割強が2~3年以内に日本拠点の業務や人員の拡大を検討していることが分かった。IT、サービス、金融、医薬品などが中心で、日本市場に開拓の余地があるとみている。インドのIT大手3社は人員を大幅に増やす。一方、高い法人税率や閉鎖的な商慣習がビジネス上の障害だとして、制度の整備を求める声も目立った。
日本に販売、マーケティング、研究開発、生産、調達などの拠点を置く外資系企業50社が回答した。今後2~3年以内に業務や人員の拡大を検討しているかについて、66%にあたる33社が「検討している」と答えた。
業種別には、航空、運輸サービスなどのサービス業が最多の10社を占めた。
ソフトウェア,ITコンサルティングなどIT関連が8社、生命保険・投資など禁輸行が7社、製造業は8社だが、うち6社は医薬品だった。
拡大理由では、「自社の活動分野において日本における需要が今後も拡大する」を挙げる企業が16社で最多。内需が低迷しているが、日本勢にない商品やサービス力で顧客を取り込む余地があるとみている。世界的に見た日本市場の規模の大きさに注目する企業も多い。

インド勢が攻勢

IT関連ではとりわけインドの大手3社が積極的だ。最大手のタタ・コンサルタンシー・サービス(TCS、ムンバイ市)は、日本法人、TCSジャパン(横浜市)の技術者などを2013年までに現在の5倍以上の1500~2000人に増やす。出向、新卒採用に加え、国内企業の買収も視野に入れる。
2位のインフォシス・テクノロジーズ(バンガロール市)も3年以内に600人へ倍増する意向。ウィプロ(同)は3年後に現在の2倍の500~1000人に拡大。現在約100億円の日本の売り上げを倍増する計画で、3年以内に東京証券取引所への上場も検討する。
各社は「日本企業の海外進出に伴い、ITインフラ整備の需要が拡大する」(TCSジャパン梶正彦社長)とみており、景気減速懸念が出ている欧米の代替書状として日本市場に注目する。
サービス分野では、「日本向けの観光、ビジネス旅行の需要は今後も増す」(シンガポール航空のキャンベル・ウィルソン日本支社長)、「不動産有効活用の分野で日本の成長のポテンシャルは高い」(シービー・リチャードエリスのトニー・チャー副社長)との指摘があった。
医薬品業界は、国民皆保険制度が確立する中で高齢化が進む日本の市場拡大に期待。「今後も先端産業への需要は拡大する」(メルクセローノのマーク・スミス社長)とみている。「投入を予定する多数の製品がパイプライン上にある」(バイエル ホールディングのハンスディター・ハウスナー社長)との声もある。

慎重な製造業も

一方、日本拠点の機能拡大を検討していないと答えたのは34%(17社)に達した。うち8社が自動車、電子機器、電子部品などの製造業だった。「新産業の勃興や大型の設備投資が期待できない」(日本エマソンの土屋純社長)といった、慎重な姿勢が聞かれた。
製造拠点を中国に移転する計画や、アジア統括機能をシンガポールに移転する計画を持つ企業もあった。「自社の活動分野において日本における需要は今後、それほど拡大しないとみるから」との理由が5社と最も多かった。

問題点:「閉鎖的な商慣習」60% 高い法人税・英語力不足も

日本でビジネスを展開する上での問題点を指摘する外資系企業が目立った。最も多かったのが「明文化されない業界独特のルールなど商慣習が閉鎖的である」で、60%(30社)が選んだ。
具体的には「契約文化が徹底していない」(ウィプロの若林稔経営企画室長)との声があった。「ITシステムを構築する際、計画変更に伴うコスト増などのリスクを一方的に負わされている」(同)という。
法制や税制への不満を指摘する声も多く、「諸外国に比べ法人税が高い」は46%(23社)が指摘した。「重要法律・通達の英訳が無料で閲覧できない」が32%(16社)。「労務分野において解雇の金銭解決ができず、柔軟な人員戦略ができないも28%(14社)に上った。日本政府に規制緩和を求める声は、とりわけ航空や医薬品業界で目立った。
アジア諸国に比べ英語力のある人材が不足している点を問題視する企業も多かった。日本拠点の拡充の意向を持つ企業でも多くがこうした不満を抱いている。今後、対日投資を呼び込むには、制度面やインフラの整備がカギとなりそうだ。
一方、日本のビジネス環境で評価できる点について、最多は「従業員の法令順守意識が高い」の68%(34社)で、「従業員の能力、スキルが高い」の58%(29社)が続いた。「他のアジア諸国に倉場手法の統治が進んでいる」「知的財産権の保護が進んでいる」を挙げた企業もそれぞれ32%(16社)だった。