経営管理イノベーション
Tマネジメントをイノベートせよ!
1.旧来のマネジメントシステムの破壊を
21世紀初頭、自動車・半導体・情報技術・金融・医薬分野等の技術革新は目覚しいものがある。それに比べて、これらの業種をそれぞれマネジメントする経営管理システムは依然として時代遅れで、殆ど進化が止まったままである。
経営の未来を拓くには、「マネジメントをイノベートせよ!」と主張したい。経営管理は時代遅れであり、殆ど進化が止まったシステムに成り下がっている。21世紀の経営管理のパイオニアは、ポストモダンの時代に合わせて経営管理の原理やプロセスや慣行を作り変える力が必要だ。
イノベーションの電流があらゆる活動に流れ、反逆者(改革者)が常に保守主義者に勝利する企業の登場が待たれる。
2.経営管理は成熟期を迎えている
階層構造はフラット化しているかもしれないが、消滅していない。現場の社員は経営幹部の決定に従う、管理職はより上位の管理職によって任命される。中間管理職は昔のままであり、実態は既に経営管理の終末を迎えている。
いま、旧いトレードオフを超越することだ。経営管理の仕組は、気ままで独断的で自由な精神を持つ人間を標準やルールに従わせはするが、それによって莫大な量の創造力と自主性を無駄にする。
ここに旧いマネジメントシステムのDNAによる制約がある。リエンジニアリング、コスト削減、継続的な改善、アウトソーシング、オフショアリングーこれらのことは大企業の遺伝的習性に完全に合致している。よりよく、より早く、より迅速によりやすく、大企業のDNA、明日の不連続に対応するため遺伝子治療にも似た抜本的な治療が必要になる。人間はパラダイムの囚われ人である。効率の追求を他のあらゆる目標に優先させるパラダイムに縛られている。組織メンバーは、業務範囲と責任範囲、規定。階層別、権限の序列、専門的能力学歴、DNAに縛られた思考がある。
3.革命的変化の必要性
間に合わせでしのいだり、部分的な改良ですましたりしている。革新的組織や360度評価に連動させて報酬決定プロセスにはしり込みする。旧いパラダイムを支持する。真の進歩には革命が必要。真のイノベーターは現状には縛られないものだ。現状を超えてこれから先実現する可能性のあることを夢見る
U究極の優位
1.競争優位の劇的かつ長期的な変化
経営管理イノベーションは、競争優位の劇的かつ長期的な変化を生む出す力が大きい。
「経営管理イノベーション」とは、経営管理の仕事を遂行する手法や従来の組織の形を大幅に変え、なおかつそうすることによって組織の目的を推進するあらゆるもの意味する。
実例としては、GE,デュポン、P&G,トヨタ、VISAがある。
GE:エジソン、科学的管理を追求したのに対し、資本を配分する:デュポンは、投資収益率の資本予算の配分技法の開発に先駆的であり続ける。無形資産を管理:P&Gが、無形資産から価値を生み出す、偉大なブランドの構築・管理を徹底した。
全ての社員の知恵を利用する:トヨタは、効率と品質のたゆみない追求に社員を参加させる。絶え間ない改善を続ける。グローバルなコンソーシアムを築く:VISAは、組織イノベーションの結果、バーチャル企業として世界に優位性を確立した、
イノベーションから優位を築く:
1.長年信じられてきた正統理論を否定する。全く新しいマネジメント原理
2.体系的で一連のプロセスやメソッド。
3.前進のペースが時と共に増していく。進行中の加速度的な発明プログラム
2.経営管理イノベーションが占める位置:
容易には模倣できない優位を生み出す比類ない力。殆どの企業幹部にとって破壊的なビジネスモデルの利点を認める、信じてきた経営管理理論の中核的な教義を捨てる。
今日CEOがイノベーションの推進者を自認する。でもなぜ経営管理イノベーションは空白地帯か。1.経営幹部は自分をイノベーターとみなしていない。管理職はそれを期待されていない。2.実際それが可能であると思っていない。想像力の欠如。殆どの管理職は自身をきらきらした目を持つ夢想家ではなく、現実的な実行者とみなしている。革命的ではなく漸進的。革命的でなくてはイノベーションとは言えない。
2−1.多すぎる管理、少なすぎる自由:
経営幹部が自発性と創造力と情熱の価値に同意するか。彼らは監督し、統制し、管理することで報酬をもらっている。人間の最も価値ある能力は、最も管理しにくい能力だ。経営管理ツールは、人々を創造的にさせることも熱意を持って取り組ませることもできない。
2−2.多すぎる階層、少なすぎるコミュニティ:
現実には次のような人々が少ない。創意に富む仲間が集まったプロジェクトのリーダー。起業家精神溢れる少数の仲間、心優しいボランティア、共通の目的に身を捧げていることで結ばれた人々、一緒に何を達成できるかを気にかけている人々:コミュニティの一員。
要するにフラットで組織に縛られないで個人の意思を共有できる人々が待たれる。
2−3.多すぎる説教、少なすぎる目的:
次のような個人としての思い使命、目的、人生の意味を持った人々が世界に多く生まれてきたらどんなに素晴らしいことか。純粋な使命感、可能性を追求したいと言う思い。憤激、目的や使命:時間と優先度を与えたか。美、真実、愛、奉仕、英知、正義、自由、思いやり、これらは人間を非凡な業績へと駆り立ててきた道徳的使命を持った人が!
V 経営の未来を思い描く
1.束縛から逃れる
前例と戦うことに躊躇したり経営管理慣行に縛られる。旧い技術に思い入れのある人は、新しい技術を思いつきはしない。技術を変えることに関心があるのはいつだって少し周辺部にいる人間、現状によって何も得をしない人間だ。ネットワーク型組織がそれを実現する。
過去から受け継いだ考えに疑いを抱くことが出発点だ。
正しい問いを立てる:ドグマを根絶できるかどうかは正しい問いを何度も繰り返し手照られるかどうか。疑う価値のある考えか。普遍的に有効か。この考えに固執している人々の主張はどのように役立っているか。我々の選択や思い込みを検証しよう。
本物、勝利、価値を得るためには、迅速に学び、迅速に失敗せよ。粘り強さの価値を認めよう。
2.経営管理のゲノムを作り変える
新しい原理を見つける。即ち、伝統に縛られたプロセスや慣行に劇的な変化を引き起こす力のある重要なアイディアを見つけることだ。
21世紀の新しい挑戦課題に答えるのに役立つ新しい経営原理は、最先端の特質、適応力があり革新的で人々を参加させるもののDNAを分析することだ。適応力ほど競争市場の成功にとって重要な要件はない。適応力のベンチマークは、生命、市場、民主主義、宗教的信仰、最も活気ある都市がその構成要素になる。
2−1生命:多様性を生み出す
2−2市場:資源を柔軟に配分する。
2−3民主主義:積極的な参加を可能にする
2−4宗教的信仰:意味の中に勇気を見出す。人生の根本的な意味を明確にしてくれる。我々はなぜここにおり、どこに行くのかを。[なぜ存在しているのか]と言う永遠の問いに答え与える。
2−5The Purpose-Driven Life(目的に導かれた人生):
混乱の時代には人間は適応力を必要とし、適応するためには定めと言う意識―我々を前進させてくれる目標,周囲の全てのものが変化しているとき方向を維持させてくれる北極星が必要だ。
使命に重要な意義がある自分が大切に思うもののためなら自己変革する。適応力のある人間が存在するだけだ。
2−6都市―幸運な発見の確率を高める
アテネ、イスタンブール、ロンドン、東京、ニューヨーク、上海,サンフランシスコ。大都市は文化の万華鏡、予期せぬものに出くわす、可能性があらゆるところに潜んでいる。最も適応力のある都市は、クリエイティブ・クラス−想像力と創意でクリエイティブ・エコノミーを推進するライター、テクノロジスト、アーティスト、映画制作者、出版関係者、ビデオゲーム開発者、ファッションデザイナーなど。を引き寄せている都市だ。ビジネス環境を築くより人間環境を築け。
2−7多様性は創造性を生み出す
都市ではイノベーションの炎を掻き立てるのは、文化、視点、スキル、産業、建築様式、町並みなどの多様性である。同じような者が出会っても創造の火花は生まれないが、異質なものが出会ったら小さなひらめきの稲妻が生まれることが多い。都市が郊外よりイノベーションを沢山生み出しているとすれば、それは都市のほうが多様性に富んでいるからだ。多様性はハイテク・イノベーションを生み出す類の創造資本を引き寄せる。
多様性は独特なものや奇妙なもの、風変わりなものやいかれたもの、変化に富んだものや突飛なものを求める積極的な活動にならなければいけない。同質な社会から大きな問いに対する答えが生まれてくるだろうか。画期的なイノベーションが同質な企業から生まれてくると思うか。
異なるニーズや目的を持つ人々が互いに出くわす場を築くことによって、さまざまな人々が交流する機会を最大化することだ。
2−8人を小さな枠に閉じ込めない
都市が個人の自己変革を容易にする。大都市は都会の冒険者たちに自分の能力の限界を探るチャンスを与える。採用プロセスはユニークな人生経験を持つ人に割増点をつけているだろうか。それとも型にすんなり朝○人に照準を絞っているだろうか。経営管理システムが適応力のある組織を築く上で重要なたぐいの社会的移動性と個人の成長を阻まないようにする必要がある。
以上、見てきたように、
イノベーションへの問いには:
・生命・多様性
・市場・柔軟性
・民主主義・積極的な参加
・信仰・意味
・都市・幸運な出会い
がある。
2−9周縁から学ぶ
前節のイノベーションへの姿は、さらに次のような構想へ発展させることができる。
新しい視点、新しい見方:Creative Experience(創造的経験)は次のような要素を構成する。
・リーダーシップ:リードされる側の人々の力の意識を高める能力
・Win-Loseの決定は全ての関係者の力を低下。
・全ての関係者の多様な視点を統合した、より高次の解決策を見つけるのがベスト
・個人や組織の成長は、小さなコミュニティが可能な限り自己統治的であるとき最大化される。
・奉仕するリーダーシップ、多様性の力、自己組織化するチーム、
・アイディアの民主主義を築く
・人間の想像力を拡大する
・集合知を集約する
・旧いメンタルモデルの足かせを最小限にする
・全ての人にチャンスを与える
W経営の未来を構築する
1.経営管理のイノベーターになる、成長エンジンを築く
・マネジメント2.0を築く
・アイディアから能力へ:先頭を行く勇気,症状ではなく原因に注目しよう、未来から遡って現在を築く。未来の適者になる。誰が行うか。
・全ての人に発言権がある
・創造のツール
・実験が手軽に
・資格や肩書きよりも能力を、参加は自主的 権力は下から、自然なヒエラルキー、コミュニティは自己定義、分散的、アイディアは公平な土俵で、決定は仲間で、
・「ポスト・マネジメント」社会へ、もしかしたら「ポスト組織」社会かも。
2.人間の自発性や創造力や情熱を動かせ!
この新しい時代に問題となる最大の要素は、クリエイティビティと組織との間の既に生まれている緊張である。これは経営管理のあらゆるトレードオフのなかでおそらく最も重要で対処し難いものであり、それゆえ創意に富んだイノベーションを行う価値が最も高いものだ。
・ポスト・マネジメント時代に抜きん出るためには、技術の進歩以上のものが必要。インターネットが可能にした21世紀のビジネス・プロセスと、19世紀の経営原理の上に築かれた20世紀半ばの経営管理プロセスを備えているのだ。我々の経営管理のDNAを作り変えない限り、経営管理という仕事を変貌させるウェブの力は活用されないままになる。
・未来の適者になる:いまこそ、人間の自発性や創造力や情熱を(この新しい千年紀におけるビジネスの成功に欠かせない、これらの壊れやすい要素を)本当に引き出し、尊重し、大切にする21世紀の経営管理モデルを築くチャンスなのだ。そうすれば、そこには極めて人間的で、行く手にある途方もない機会をつかむ用意が十分にできた組織が生まれるはずだ。